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シルバー産業新聞

聴こえ 「早期発見、診断に繋げる仕組みを」(2)

 このような観点から、高齢者の難聴を早期に発見することは、極めて重要なことである。70歳代では6割に、80歳代では8割程の高齢者に難聴が認められるが、聴力損失は、高音域から徐々に始まるため、会話領域に至るまで見過ごされることが多く、耳鼻咽喉科医への受診率は低い。

 また我が国の聴覚検診は出生児、1歳6か月、3歳、学生、就業者の検診体制はできているが、老人保健法により、65歳以上の聴覚検査は規定されていないのが現状である。

 「聞こえはコミュニケーションの基本」であり、難聴は寝たきりや認知症のリスク要因となることより、埼玉県坂戸市、鶴ヶ島市では、地域における聴覚障害の早期発見への取り組みとして、06年度の基本健康診査から高齢者の聴覚検診を導入し、現在の特定健康診査でのチェックに至っている。さらに難聴が内耳レベルに限局した病態でなく、糖尿病、高血圧、高脂血症など全身疾患と関係することも近年明らかになった。このようなことからも全国的に特定健康診査時に聴覚検診が導入されることが重要である。

 難聴対策としては、難聴高齢者を早期に発見し、補聴器装用へと繋げることが重要な課題であり、補聴器装用によりコミュニケーション、認知、社会機能、感情、うつ軽減などの効果が認められるが、最適な補聴器の装用するためには、補聴器に関する適切なアドバイスができる専門家「補聴器相談医」に相談することが望ましい。

 坂戸鶴ヶ島医師会では現在、市と連携して介護予防サービス利用者などを対象に「聴力と認知症に関する調査」を実施している。調査には、純音(ピー音)だけでなく単語なども収録されている簡易聴覚チェッカーが用いられ、一定以上の誤答で、耳鼻科医での専門診断を勧められる。

 また今回の様な震災時において、テレビや携帯電話の緊急警報音に気づかない様な高齢難聴者をあらかじめ把握しておくことが今後、地域には求められるだろう。一見して分かりにくい難聴高齢者の早期診断へつなげるシステム構築が介護予防や防災対策に非常に重要だといえる。

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<福祉用具の日しんぶん2011年号> 

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