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シルバー産業新聞

聴こえ 「早期発見、診断に繋げる仕組みを」(1)

kikow_f112.jpg医療法人社団満寿会 理事長 医学博士 

小川 郁男 氏

プロフィール
 1972年日本大学医学部卒業後、日本大学板橋病院耳鼻咽喉科学教室入局。75年国立埼玉病院勤務。82年鶴ヶ島耳鼻咽喉科診療所開設。90年満寿会設立。93年介護老人保健施設鶴ヶ島ケアホーム開設。03年鶴ヶ島在宅医療診療所開設。公職、埼玉県医師会理事、坂戸・鶴ヶ島医師会副会長、全国有床診療所連絡協議会副会長、埼玉県介護老人保健施設協会会長、全国老人保健施設協会埼玉県支部長・代議員など多数。

難聴により認知症リスクは倍増

 超高齢社会となり、慢性的に医療や介護を必要とする利用者が増加している。このような人々を支援する施策として、2000年度より介護保険制度が開始された。こうした中で高齢者が尊厳ある生活を維持するための大きな要因としてコミュニケーションの維持が必至である。コミュニケーション障害は、高齢者支援の大きな妨げとなっており、この障害には認知症の他に難聴が挙げられる。

 これまで耳鼻咽喉科受診が困難な高齢者も在宅には多く、難聴によるコミュニケーション障害が見過ごされてきている。難聴に気づいていても“年のせい”と諦めてしまう人や、難聴に気づかない人は、コミュニケーション障害のため、外出を避け1日中テレビを見て過ごす、いわゆる“閉じこもり症候群”に移行し、筋力の低下とともに認知症が出現し、要介護状態となる。

 高齢者の難聴は、弱い音や小さい音が聞き取れなくなったり、歪んで誤って聞こえてしまったりなど、抹消内耳での感覚受容器の機能低下によって音が聞き取れなくなる状態である。このため連続した音の一部が聞き取れず途切れて聞こえ、また周波数分解能の低下により近接した2つの音色が正しく弁別できなくなり、不適切な理解や認知の原因となる。

 しかし難聴を早期に発見すると、治療や補聴器装用によって、コミュニケーション障害を解消することができる。高齢者の難聴に対し、補聴器などの適切な対処がなされない場合、認知症発症リスクは2倍程度高まることが報告されている。

(2)につづく

<福祉用具の日しんぶん2011年号>

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