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福祉用具は超高齢社会の期待の星 山下一平会長

yamashita_fukushi_11.jpg「福祉用具の日」推進協議会
 会長 山下 一平 氏

 

プロフィール
ヤマシタコーポレーション代表取締役社長。73年慶応義塾大学卒業後、静岡リネンサプライ(現ヤマシタコーポレーション)入社。98年代表取締役就任。現在全国の福祉用具レンタルの全国ネットワークエコールグループ会長他多数の団体役員を兼任。

 

  1993年10月1日に福祉用具法が施行されたことにちなみ、2002年、福祉用具関連団体によって「福祉用具の日」推進協議会が創設され、10月1日が「福祉用具の日」と定められました。福祉用具法は、正式には「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」と呼ばれ、高齢者及び障害者の自立の促進、介護者の負担軽減を図るため、福祉用具の普及・開発の促進を目的に、当時の厚生省と通産省の共管によって制定された法律です。この「福祉用具の日」が創設されてから、今年で10周年を迎えました。例年では、各地域でイベント出展や、街頭でのキャンペーンなどを通じ、普段、福祉用具にあまり馴染みのない方々に向けた啓発活動を実施しております。

 毎年全国で様々なイベントが実施されてきましたが、10年という節目を迎えた今年度は、「福祉用具のある風景」と題して、フォトコンテストを開催しました。全国より幅広い年齢層から、過去最高となる296作品もの応募がありました。その受賞作品を見てみると、高齢者が介護保険で利用できる車いすや歩行器などの他に、義肢・装具を装着してスポーツに打ち込んでいる作品や、子ども用の車いす、手こぎ三輪車など、多彩なラインナップとなっております。

 福祉用具は高齢者や障害者の日常生活や社会参加にとってとても大切ですが、特に高齢になって障害を持たれた方に多くみられる傾向として、周囲の目を気にして使うことをためらいがちになりやすいということです。そういったマイナスイメージを払拭するためにも、フォトコンテストをはじめ、「福祉用具の日」を足掛かりとした取り組みを進め、福祉用具を身近に感じていただきたいと思っております。福祉用具を必要とする誰もが利用しやすい環境をつくっていくことが我々の重要なテーマのひとつです。

 福祉用具の日が制定されて10年、介護保険がスタートして12年目を迎え、新しい分野の福祉用具の開発も進められてきました。2003年に開催した「夢の福祉用具アイデアコンクール」では、足が不自由になられた方が身体に装着するロボットスーツのアイデアが最優秀賞に選ばれました。当時はまさに「夢」の福祉用具だったのですが、今やそれに近い製品が実用化され、現実のものとなっています。介護ロボットのみならず、福祉用具に関する研究は様々な機関で行われており、これから先、我々の想像もつかない便利な福祉用具が開発されてくるかもしれません。

 我が国は他に類を見ないスピードで少子高齢化が進んでおり、2050年には65歳以上の高齢者は総人口の40%を超えるといわれています。介護に携わる人材不足も問題となっており、介護の全てを人的サービスでまかなうことはできません。例えるならば、どんなに素晴らしい料理でも、鍋やフライパンからじかに手づかみでは、その良さはそれほど感じられないはずです。おいしくいただくためにはやはりその料理にふさわしい器が必要であり、ナイフとフォークが必要なのです。人的サービスを料理に見立てれば、まさに器は住宅であり、ナイフとフォークは福祉用具と言えるでしょう。そしてそれは人的サービス、つまり料理ができる前にテーブルにセットされていなければいけません。まず環境整備が最初だと思います。そうすれば人的サービスが最高に効果をもたらすことでしょう。

 超高齢社会への流れの中でますます福祉用具に注目や期待が集まっていくことは間違いないと確信しております。そのためにも、福祉用具の専門職の育成とともに、福祉用具をより多くの方に使っていただき、希望をもって暮らしていける社会になるよう、今後も普及・啓発活動に尽力していきたいと考えています。

<福祉用具の日しんぶん2011年号>

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