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社会福祉法人の大規模化 多角的な事業展開も必要 (千田 透) 2019年9月24日15時09分

 

千田透の 時代を読む視点 (72)  

 

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 社会福祉法人の大規模化や協働化に向けた議論の整理が、7月22日に開かれた社会保障審議会福祉部会で報告された。

 その中で、今後の方向性として、社会福祉法人が大規模化・連携に取り組めるよう、医療分野の「地域医療連携推進法人制度」のような連携法人制度の創設を検討することや、合併などに向けたガイドラインを策定することなどが説明された。

 人口構造が変化する中、地域包括ケアシステムの構築や、地域共生社会の実現に向け、社会福祉法人が果たすべき役割や期待は、これまで以上に大きくなっていく。そのため、社会福祉法人の規模を拡大させ、職員を確保しやすくしたり、地域のニーズに対応しやすくしたりする考えは理解できる

 ただ、もともとは国や地方自治体が、一つの施設を整備するごとに、新たな法人を設立させる「1法人1施設」で指導してきた経緯がある。それがもとで、社会福祉法人の9割は職員数100人未満の零細規模になっている。小さいながらも地域に根を下ろし、ニーズを吸い上げながら、わが国の福祉を着実に発展させてきた歴史がある中、単に経営効率の観点から規模の拡大を迫られても、現場では戸惑いの方が大きいだろう。

 規模拡大や協働化を進めていくのであれば、現場が納得できる形の説明や、社会福祉法人の将来ビジョンが必要であろう。

 個人的には、社会福祉法人の規模を拡大させていくのであれば、自律性を高めるために、収益事業なども含めた、多角的な事業展開が可能になるよう規制緩和をしていくべきだと思っている。

 人材育成など福祉事業に付帯するような事業については、医療法人と同様、多角的に事業展開できるようにしていくべきであり、収益事業については軽減税率を適応することなども検討していけばよい。

 そもそも第一種・第二種福祉事業の介護サービスは公定価格なので、報酬によって事業がコントロールされている。そのため、社会福祉法人が主体性を持ちにくい仕組みになっているのである。財政が厳しくなる中で、報酬のマイナス分を規模拡大の効率化で凌ぐような形だけだと、先細りしていくのは目に見えている。

 人手不足などの問題が深刻化する中で、社会福祉法人が地域における多様な福祉ニーズに対応し、地域包括ケアシステムの構築や地域共生社会の実現に向けた取り組みを主体的にすすめていくために、将来を見据えたビジョンが必要なのである。

2019年8月10日号 7面

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