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地域力発見 (70) AI (人口知能) を使ったケアマネ業務を考える (1) [2018/11]2019年3月27日00時29分

 

操作体験会に約30人のケアマネが参加

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 ロボットや自動車の障害物センサー、将棋やゲームの人工知能など、身近なところでAIが活用され始めている。それは、ディープラーニング(深層学習)といって、人間の複雑な脳の深層部分に技術が近づいてきた為でもあるらしい。

 人間相手のケアマネ業務にAI技術を活用する取組みが始まっている。開発に取組むシーディーアイ(東京都中央区、岡本茂雄社長)の「MAIA」(マイア)は、ケアプランを作るソフトウェアで、10月から市場に投入された。それに伴い、体験会を始めたが、第1回目の東京会場には、首都圏や近隣から約30人のケアマネらが参加、日頃担当する利用者のデータを持ち込んで、端末に入力していった。

 机にはiPadが支給され、IDとパスワードの入力から開始された。画面が開くと、左の列に全体の項目が表示される。項目は「基本情報」「生活に関する情報」「目標」「身体・精神的情報」「パーソナルプラン」「比較」「スケジュール」で、上から順番に個人データを入力すると、ケアプランが3つ提示される。同時にプランの効果がグラフで視覚化され、3つのプランの効果も一目で比較できる。さらにプランは週間・月間表に落とし込める。

 サンプルとして入力してみたのは、要介護3で69歳の女性の例。左半身に麻痺があり、歩行は全介助。詳細は省くが、一人で車いすに移乗できることを長期目標に据えている。データを入力すると3つのプランが出てきた。しかも、かなり異なるものだ。それぞれのプランは移動、食事、排泄、認知機能などの項目別に、プランの実施後の見込みがレーダーチャートや棒グラフに出て来る。改善する項目もあれば、低下する項目もある。

 プランの見方で大切なのは、「改善が期待される項目」「維持が期待される項目」「注意が必要な項目」で、どこにプランの問題点を見て取ればいいかが分る。「このデータを参考にプランを振り返って頂きたい」と同社の担当者は説明する。

 実際、3つのプランの効果を検証してみると、サービスの多いプランで改善割合が低いのが見て取れた。簡単には言えないが、過剰なサービスは介護度を落すいい事例だろうか。

 人工知能は完璧なプランをたたき出すものではなく、作業の補佐役として活用するものと感じた。AIプランを使いこなすケアマネの高い能力が必要となる。

 静岡県御殿場市から参加した経験7年のケアマネは、「最近の利用者は年齢が若く、要求も厳しいので、プランの根拠が示せていい。しかし導入には本人家族のITへの理解が鍵だ」と話す。また、認定調査が出るまでの間に、行政がこれを使って暫定プランを組んだら助かるという意見も出た。

 これに対して、「サンプルのパターン化が物足りない」「リハビリに偏り日中の生活がフォローできない」「インフォーマルサービスを入力したが出てこない」「請求までできたらよい」「認定調査と主治医意見書のデータがベースなのは偏りを感じる」「これはケアプランであってケアマネジメントプロセス全体とは違う」など、現場ケアマネのプロ意識から滲み出る意見が出された。

 AIは優れたケアプランの集積がベースとなるが、まだまだ発展途上。現場のケアマネが意見を出し、開発とリンクさせることが欠かせない。

2018年11月10日号

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