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千田透の時代を読む視点 (67) 介護職員の処遇改善 加算でなく基本報酬で [2019/03] 2019年6月28日08時00分

 

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 2月13日に開かれた社会保障審議会介護給付分科会で、10月に予定されている消費税率引き上げに伴う臨時の介護報酬改定について、諮問・答申が行われた。

 今回の改定のポイントは、▽経済政策パッケージに基づく更なる処遇改善▽介護報酬への上乗せ▽区分支給限度基準額の見直し▽食費・居住費への上乗せ――などを行う内容になっている。

 この中で、経済政策パッケージに基づく更なる処遇改善では、勤続年数10年以上の介護福祉士について、月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠にした、「特定処遇改善加算」が新たに創設される。

 この加算で特徴的なのは、事業所内での配分方法を国が定めていることだ。具体的には、経験・技能のある介護職員に対して、少なくとも1人以上は「月額8万円」の賃金改善を行うか、「年収440万円以上」を確保することが求められている。

 本来、賃金をいくらにするかは、労使間でとり決められる話であり、国家が介入すべき話ではない。無理にルールで縛ると、公平・不公平が生じ、従事者のモチベーションを下げてしまうことだって考えられる。

 そもそも新加算のベースとなっている処遇改善加算についても、あくまで例外的かつ経過的な取り扱いとして設けられたものであり、恒久的な仕組みにする考えはなかったはずである。基本サービス費の中にきちんと処遇改善費用を組み込み、労使間で賃金を決定していく姿に戻していくべきだ。そのためも、「平均的な費用の額を勘案の上、厚生労働大臣が定める」ことになっている介護報酬の内訳を明確にしていく必要があるだろう。

 区分支給限度基準額については、消費税の引上げに伴う介護報酬への上乗せ対応を行うことで、これまでと同量のサービスを利用しているにもかかわらず、限度額を超える利用者が出てしまうため、引き上げるのは当然であろう。さらに今回の改定で、居住費・食費についても、平均的な費用額を勘案し、消費税分を引き上げたことは評価できる。

 一方で、特定福祉用具販売の年間10万円、住宅改修費の年間20万円の支給限度基準額について、見直しを行わないのはなぜなのか。これらのサービスが公定価格ではないとの理由などが考えられるが、同じく公定価格ではない福祉用具貸与については、在宅サービスの区分支給限度額の引き上げが行われており、整合性がとれていない。

 介護職員の処遇改善や消費税については、将来的にさらなる見直しがありうる話である。きちんとした考え方が必要だろう。

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