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在宅栄養ケアのすすめ (51) 中村育子 改善につながる栄養スクリーニングを [2018/04]2019年3月 1日17時10分

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【福岡クリニック 在宅部栄養課 日本在宅栄養管理学会 副理事長 中村育子】

 

 4月になり、新しい介護報酬がスタートしました。今回の改定、栄養関連では、低栄養予防・改善に対する評価が多く取り入れられています。

 なかでも、通所系・居住系サービスなどに新設された「栄養スクリーニング加算」(5単位、6カ月に1回)は重要です。事業所の介護職員が利用者の栄養状態を定期的にチェックし、ケアマネジャーへ報告することを評価するもので、管理栄養士の配置が義務付けられていない介護現場を中心に、低栄養予防の網をできる限り広くかけようという目的でしょう。

 単位数は半年で5単位と、インパクトは小さいかもしれませんが、ここで見つかった低栄養またはその恐れのある利用者は、栄養改善加算や居宅療養管理指導などを活用しながら、予防・改善につなげなくてはなりません。この重要性をケアマネジャーが認識しなければ、いつまで経っても低栄養が見過ごされることになるでしょう。

体重は最重要項目

 栄養スクリーニングの項目は ①BMI18.5未満 ②1~6カ月間で3%以上の体重減少 ③血清アルブミン値が3.5g/dl以下 ④食事摂取量が不良(75%以下)――を確認するとあり、①と②でお分かりのように、まずは体重を測ることが不可欠です。通所介護でも中重度化が進んでいますので、車いす体重計の導入なども、検討する時期に来ていると思います。

 簡易栄養状態評価表(MNA―SF)のスクリーニング項目も参考にしてみて下さい。例えば円背で身長が測ることができない人は、正確なBMIが出せませんので、その場合はふくらはぎの周囲長を計測します。

 一方、血清アルブミン値は少しハードルが高くなり、通所のその場で、というわけにはいきません。医師からデータをもらって保管し、通所に持参するなどの習慣をつけておく必要があるでしょう。

管理栄養士の早期介入で密な連携も

 こういった細かい部分までスクリーニングの段階で要求するのであれば、最初から管理栄養士が関わってアセスメントを行うのも手法の一つです。私の経験も踏まえ、通所介護だと利用者の2~3割は低栄養、3~4割はそのおそれありと判定されるのではないかと思います。つまり、予防・改善を行うべき人が既に半数以上いるということです。

 通所系サービスの「栄養改善加算」(150単位、月2回まで)は管理栄養士の配置要件が緩和され、外部(他事業所、医療機関、栄養ケア・ステーション)との連携でも算定が可能になりました。ここを見越して、初期から連携して低栄養の要因を突き止めたほうが、より質の高い栄養改善を行うことができるでしょう。

 懸念する点もいくつかあります。一つは、連携する外部の管理栄養士には介護報酬がつかないこと。時給や利用者1人単価など、加算算定事業所との契約に委ねられますので、双方とも連携先を見つけるネックになるかも知れません。

 

 栄養改善加算で管理栄養士がすべきことは▽栄養アセスメント▽栄養ケア計画書の作成▽食事摂取量の聞き取り▽栄養相談▽食事摂取の多様性チェック▽栄養モニタリング――などです。通所等の現場でアセスメントや聞き取りを行うことを考えると、1回の訪問で20人が限界でしょう。中重度者が多いデイ等で対象者が多いと、1人の管理栄養士で回せるのかも心配です。しかも、対象者が同じ日に通所するとは限りません。低栄養が進行している人や認知症の人を居宅療養管理指導に切替えるなどの調整が必要になってきます。

 その点、特定施設(有料老人ホーム)やグループホームといった居住系は居宅療養管理指導の訪問先となりますので、栄養スクリーニングからサービスにつなげやすい環境かもしれません。ただし、居宅療養管理指導は医師の指示が必要ですので、栄養スクリーニングで低栄養の傾向が強く出ている時点で、早めに情報共有しておくことが大切です。

 在宅訪問の経験がある管理栄養士自体が少ないのも、これらの加算が活きるかどうかの懸念の一つです。連携先の管理栄養士を探す場合は ①入退院(所)で関わった医療機関や介護施設 ②日本在宅栄養管理学会ホームページの訪問栄養指導の実施機関 ③各都道府県の栄養ケア・ステーション――などを参考にしてみてください。

2018年4月10日号

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