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わたしは共用品 (42) 広辞苑の示唆 [2018/11] 2019年3月27日00時28分

 

【文:星川安之、絵;: Nozomilkyway】

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 今年1月に発行された第7版の広辞苑には、6版の24万の言葉に加え1万の言葉が加わりました。その一つが「共用品」です。語釈は「障がいの有無や身体特性に関わりなく、誰もが利用しやすい製品」です。

 共用品の言葉が生まれたのは91年4月、都内で行われた会合でのことです。その日、多業種・多職種の20人が「障がいの有無、年齢の高低等にかかわりなく、共に使える製品やサービス」を社会に広げることを目的に集まりました。

 最初の作業は、目的とする言葉を考えることで、「共用デザイン」「共用製品」などの案がでましたが、最終的に共用品に落ち着きました。その時、言葉の定義を「誰もが使える」ではなく、「より多くの人が使える」としました。

 会合は、障がいのあるメンバーから日常生活における不便さや工夫を聞くことから始め、やがて300人の視覚障がい者への調査、さらには聴覚障がい、肢体不自由、高齢者などへと進み、多くの不便さが明らかになりました。

 それをまとめた報告書は多くの人や機関に渡り、多数の共用品が様々な分野から生まれました。触って区別できる牛乳とジュース容器、車いす使用者がボタンや取り出し口に手が届きやすい自動販売機、より多くの人に開始・終了が聞きやすい高さの音が出る家電などの配慮点は、日本工業規格(JIS)となり、さらに多くの製品に広がりました。

 広辞苑の語釈にある「誰もが」は、「より多くの人」から「全ての人」へと共用品を広げることを示唆してくれています。

 

【星川さん  本間一夫文化賞受賞 共用品普及の取り組みを顕彰】

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 本紙連載「わたしは共用品」の筆者で、共用品推進機構専務理事の星川安之さんがこのほど、視覚障がい者の文化向上に貢献した個人・団体に贈られる「本間一夫文化賞」を受賞した。

 星川さんは1980年にトミー工業(現・タカラトミー)に入社。99年に設立された共用品推進機構の専務理事として障がいの有無や年齢によらず誰もが使いやすい商品(共用品)の規格策定や開発・普及、同じくサービス(共用サービス)の普及に力を注いできた。以下、星川さんのコメント。

 「今回の受賞は、共用品の普及に関わって下さった全ての方々への賞だと理解し、皆様へ心より感謝申し上げます。思い起こせば38年前、目の不自由な子供たちの玩具を作るため、初めて日本点字図書館(日点)を訪問しました。そこで目の不自由な子どもたちの声から作ったメロディボール、福祉作業所に作ってもらった木製のバックギャモン、声のおもちゃカタログ、共用品普及を目指し始まった『E&Cプロジェクト』、目の不自由な人の不便さ調査、良かったこと調査、アイデアコンテストなど、これまでを振り返ると、日点と共に行った取り組みが走馬灯のように思い出されます。

 共用品の取り組みは、山登りでいうとまだ2合目あたりですが、今回の受賞を機に、継承・新規も含め、10合目まで到達するような仕組みを早急に構築したいと思っています」

2018年11月10日号

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