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特集 加算の取り方 (2) 排せつ支援加算 あそか苑 [2018/12]2019年3月27日00時32分

 

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【特養 あそか苑(兵庫県伊丹市)

加算きっかけに排泄ケア向上を図る

 

小さく始めて成功体験を積む

 特別養護老人ホームあそか苑では7月より、入居者3人について、排せつ支援加算の算定を開始している。同施設では、もともと排泄ケアの向上を図るため、外部からコンサルタントを招き、取り組みを進めていた。外部コンサルタントのDASUケアLAB、大関美里氏は排せつ支援加算について、「排泄ケアの見直しに施設全体で取り組む良いきっかけだった」と評価する。大関氏は介護職、おむつメーカー勤務などを経て、現在は介護施設のコンサルティングなどを行っている。

 あそか苑の定員は50人だが、まずは施設職員に成功体験を積んでもらうため、少人数の算定から始めることを決めた。医師や看護師をはじめ多職種と相談し、速やかに取り組むべき人や具体的に改善のイメージが湧く人などから取り組むことにしたという。

 例えば、「最近できることが少なくなっていく」と、自信や明るさを失いつつあった100歳代の女性入居者を対象にしている。大関さんは「排泄をきっかけに『まだ頑張れる』という自信や意欲に繋げたい」と説明する。

 改善の見込みがある入居者には、個別アセスメントを実施。ADLなどの基本情報をはじめ、排泄回数、尿量、便の状態などは、最低でも1週間の記録をとる。尿量はデジタルスケールや採尿器を用い、便状態も細かく評価。通常業務としてつける排泄日誌とは異なり、より個人の排泄状況が一覧できる記録様式を用いた。

下衣の上げ下ろし動作が自立に

 さきほどの女性入居者の場合、「排泄に介護を要する要因」は▽下衣の上げ下ろしの際に、立位と上げ下ろし動作が難しく介助が必要▽まれにパッドへの尿失禁、軟便失禁あり――と分析。「支援計画」は、▽パンツ型紙おむつからパッドが装着できる綿製下着へ変更し、排泄動作や生活意欲に繋げる▽トイレ排泄の成功時は称賛の言葉がけでモチベーションを向上させる――などを位置づけた。アセスメントの結果、パッドは必要だが、必ずしも紙おむつではなくてもよいと判断した。排尿・排便ともに「全介助 → 一部介助」への改善を見込んでいる。

 支援計画を本人に説明したところ、下着に戻れることを喜び、快諾を得られたという。支援がスタートし、下着の着用に変更したところ、下衣の上げ下ろし動作は本人が行えるようになった。「トイレへの意識が高まったせいか、失禁も支援前に比べて減少している」と大関さん。自宅へ外泊した際、「下衣の上げ下ろしの介助が楽になった」と家族にも喜ばれたという。

 また別の入居者は排尿・排便ともに全介助で、ベッド上のおむつ交換で対応していた。弄便もみられたため、まずトイレに座ってもらうことから支援を開始。パンツ型のおむつに切り替え、昼食後には2人介助でトイレに誘導する。少しでも排便があれば、その日は下剤の服用を止めるなどケアを見直している。支援途中だが、以前より便状態は良くなり、本人の笑顔や発語も増えているという。

 「できる限り、本人のタイミングでトイレ誘導ができるように支援を続けていく」と大関さん。「加算をきっかけに施設全体の排泄ケアのレベルアップに繋がるよう、丁寧に取組んでいきたい」と意気込む。

2018年12月10日号

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