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白澤教授のケアマネジメント快刀乱麻 地域共生社会の原点はどこにあるのか [2019/01] 2019年6月21日18時00分

 

「地域共生社会の実現に向けて」(7) 

 地域包括ケアシステムの深化としての地域共生社会の実現が求められている。文字通り、地域共生社会は、誰もが共に生活していくことができる地域社会を創造していくことである。2016年6月2日に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」では、地域共生社会を子供・高齢者・障がい者など全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができるとしている。このため、地域のあらゆる住民が役割を持ち、支え合いながら、自分らしく活躍できる地域コミュニティの育成等を推進するとしている。

 地域共生社会の構築は、国民が国に対して求めたり、国が国民に対して求めることでなく、最終的には個々人がいかに自覚して生きていくかが問われている。

 地域共生社会の対象である「誰も」とは、要介護や要支援の高齢者、障がい児者、国籍が日本かどこかを問わず在日の外国人、LGBT(一部の性的少数者)の人などが区別されることなく、地域に住まうすべての住民が対象である。こうした人々が共に生きていくとは、単に生きていくというより、お互いが尊重し合い、一人ひとりが異なるという多様性を認め合い、助け合いながら生活していく地域社会を構築していくことである。

 そのためには、人々はどのような関係で生活していくのかであるが、お互いが異なることを理解し合い、異なることを認め合うことができる地域社会である。身体機能の違いや文化・宗教の違いを超えて、人々がその違いをお互い認め合い、助け合う社会である。

 その結果として、支援を受ける人と支援をする人を区分するのではなく、両者を一体化していく社会を形成していくことである。具体的には、認知症の人が認知症カフェで他の人々から様々な支援を受けてはいるが、その人ができる他のメンバーにお茶を出すことでもって、支援の担い手にもなっていく社会を作っていくことである。

 こうした地域共生社会を築いていくためには、個々人が自覚して生きていくことであり、にわか作りは難しい。幼少時からの学校や家庭での教育が重要である。子どもの時代から、多様性を認め、お互いが助け合うことが当たり前である価値観を形成していくことが必要である。

 そのためには、具体的には、次のような福祉教育が求められる。子どもが自分と異なる人への対応として3つのステップを踏む教育をしていくことであるという。

 ① 好意的な関心をもたせる福祉教育(「無関心」→「関心」へ)

 ②「共感・当事者性」を育む福祉教育(「同情」→「共感」へ)

 ③ 包摂をめざす福祉教育(反感・コンフリクト→共存へ)(注1)

 これは、子どもに対する教育だけでなく、地域住民に対する教育にも通用するものである。こうした価値観を育てていくことで、地域共生社会を構築していきたい。

 同時に、地域共生社会で住民がそれぞれ自らの役割を担えるよう支援していく専門職の養成が不可欠である。これには、ソーシャルワーカーが不可欠であり、その養成に国が後方支援していくことも大きな課題である。

 ※注1:『福祉教育 社会的包摂にむけた福祉教育 ~福祉教育プログラム7つの実践』(2017年3月、全国社会福祉協議会全国ボランティア・市民活動振興センター)

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