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地域力発見(72) 宮下今日子:福祉用具専門相談員の上位研修 始まる [2019/01] 2019年6月25日08時00分

 

 福祉用具専門相談員更新上位研修は、一定の経験をもつ同専門相談員を対象に、一般社団法人全国福祉用具専門相談員協会(岩元文雄理事長)が主催者となって新しく始めた研修。取組の背景には、「より専門的知識及び経験を有する者の配置」の検討が必要とする社会保障審議会介護保険部会の意向がある。今後、制度化に向け体制を整え、全国約7000カ所の福祉用具貸与事業所に発信し、今年度は約1000人の育成を目指すとしている。

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 今年度の1回目となる更新研修は、11月27日から29日の3日間、運営を担当した都内のお茶の水ケアサービス学院(学院長、神智淳)で開かれた。会場には、首都圏を中心に10社16人が参加。更新研修は事例検討を重視しているのが大きな特徴で、福祉用具サービス計画書を他者に批評してもらうという初の試みが含まれている。

 3日目の総合演習に参加してみると、福祉用具サービス計画書点検シートに沿って、項目ごとに◎○△×で評価をもらい、説明を受ける受講者の姿が印象的だった。同席した4班のテーブルでは、透析のため週3回通院し、車いす、手すり、歩行器、歩行補助杖、移動用リフトを提案している例が検討されていた。

 見ると、基本情報、利用計画、選定理由の用紙には、パソコンで打たれた文字がぎっしり書き込まれている。しかし、チェック者の意見は、用具を選定した根拠に容赦なく向けられた。具体的には、「車いすを選定する場合、不安の解消だけの理由でレンタルするとあるが、それはどうか?車いすは透析の後、疲労し、歩行がふらつき危険なので車いすが必要と書くべきではないか。帰りのための持ち運びとして借りる場合、本当に使っているかわからなくなる」といった厳しい指摘である。

 文字数は多ければいいというものではない。利用者に分かりやすいことが第一となるが、この点について金沢善智講師は、中学生でも分る表現を心がけると良い、12ポイントで100字以内(約3行)が目安とアドバイス。会場からは、昇降は上り下りと書く、長文は読みづらい、丁寧すぎる表現も必要ないなど、数々の反省点が挙がった。

 また、基本情報の記述に抜けがあるという意見が多数挙がった。名前の書き漏れは流石にないだろうが、身長、体重の記述が無かったら、用具選定には致命的になる。冷や汗をかきながらの発表が続いたが、基本情報をしっかり書いておけば、利用計画を作る時に苦労しない、という貴重な結論も導かれたようだ。

 当日は、都内大手のレンタル事業者や、九州で学校運営をする代表らが視察に来るなど関心の高さが伺えた。研修を拡げるために、今後の課題などを参加者に聞いてみると、労力と費用の問題が挙がった。担当件数が150件から200件のところもあり、せめて100件は下回って欲しいという声は共通していた。

 また、資格取得に加算を求める声があり、他職種は加算が多いのに、用具にないのはおかしいと怒り交じりの声も聞かれた。

 笛吹けど踊らず、にならないように、現場の実情に見合い、現場が納得する制度設計をお願いしたいものだ。

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