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生き活きケア
生き活きケア(141) 特養 「夢あかり」(北海道江別市) [2019/01] 2019年6月24日08時00分

 

 特養で、水分補給、排泄ケア、栄養摂取、運動の4つの基本ケアを計画的に実施する取り組みが広がっている。社会福祉法人北叡会(天野一城理事長)の特養「夢あかり」(北海道江別市、吉谷敬施設長)では、アセスメント力、水・排泄・栄養・歩行の基本ケア、介護実践能力を軸に自立支援介護を推進する。

4つの基本ケアで自立支援介護めざす 水分摂取で意識レベル向上 

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 「少しでも元気で自立した生活を取り戻したい」。理学療法士の吉谷敬施設長は、2011年4月の特養「夢あかり」(ユニットケア80床、ショート10床)開設以来、利用者一人ひとりのアセスメントに基づいて、水分摂取により覚醒レベルの向上を図りながら、自立した排泄と1日1500kcalの栄養摂取、歩行練習を計画的に実施してきた。

 中でも、高齢者が陥りがちな水分不足を補うため、積極的な水分摂取を重視している。起床時の水分摂取から、水分の種類の豊富さと温度管理、動いたら水分摂取、食べる水分、これら水分摂取4原則を掲げて、様々な形で水分を摂るようにする。

 コーヒー、紅茶、ミルクティ、ココア、煎茶、番茶、昆布茶などの「温かい飲み物」、牛乳、スポーツドリンク、アイスコーヒー、番茶などの「冷たい飲み物」や、アップルゼリー、ピーチゼリー、グレープゼリー、お茶ゼリーなどの「食べる飲み物」など、嗜好や用途などに合わせて摂取する水分はバラエティに富む。起床時には冷たい牛乳か水を飲み、朝食前と朝食時には番茶、服薬時の水、10時頃に好みの飲み物またはゼリーを摂るなど、食事の時やおやつ時間などを利用して、1回100~200ml、計1日1500mlの水分摂取を行う。

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 「人は、排尿や排便、汗や呼気などの不感蒸散によって、1日2000~2500mlの水分が体内から奪われています。食事や体内でできる水分によって半分程度は補われますが、残りの1500ml程度は口からの水分摂取が欠かせない。体内で必要な水分量が1~2%不足するだけで、人の覚醒レベルが低下するとされ、傾眠傾向がでて、排尿感覚なども薄れます。こうした脱水状態を改善し、しっかりした意識レベルにもっていくことが自立介護の基本と考えて、基本ケアによってコンディションを整え、個別ケアを実践しています」と吉谷施設長は説明。筋肉は水分を蓄える働きもあるが、高齢になると筋肉量が低下し、体内の水分貯蔵が減ってくるのだと言う。

 下剤をやめることは排泄ケアの前提になると、吉谷施設長。「入所されると、それまで飲んでいた下剤をやめて、腸内環境を整えるために、食物繊維や乳酸菌、オリゴ糖、はちみつなどを摂るようにします」

 自立支援部長の伊藤俊一氏によると、同施設では、一人ひとりについて毎月48項目のアセスメントを実施し、介護計画を見直している。施設では、勤務シフトによって職員が入れ替わるため、ケアの統一が欠かせない。「毎日同じ職員が関わるわけではないので、人や日によってケアが異なってしまうリスクがある」からだ。自立性の向上に向けて職員誰もが同様なケアを行うために、介護計画の作成が必要になる。

多職種によるアセスメント結果分析

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 アセスメント結果は多職種による委員会で分析するが、利用者の状態は動画に撮って、当初と改善後を見ながらケアの効果を検証していく。在宅と施設を交互する「在宅入所相互利用加算」の算定にも取り組み、現在、1ベッドを3~4人で使っている。法人には居宅介護支援事業所がないため、地域のケアマネジャーとの間で、在宅での利用者のケアを展開することになるが、その際にもこうした動画が使われる。

 自立支援介護の取り組みは次のような効果を上げている。布パンツ+パッドの使用はあるが、テープ止めタイプなどのおむつは原則使用しない。18年改定の新加算である「排せつ支援加算」は入所者80人のおよそ半数で請求が行われた。「同加算は、現状は排せつ支援計画書にそったケアの実施(プロセス評価)で取得できるが、次期改定では、トイレでの排泄まで(アウトカム評価)を求められる可能性があります」と、伊藤部長は一層の自立支援介護が求められていると話す。

 地域で評価されることで、介護職員の離職も減り、この1年では、持病により2人が退職したのに留まった。一方で、国際福祉事業部アジア健康構想推進室を設けて、外国人の技能実習生の受入れ準備を進める。17年12月にはベトナムを訪問し、技能実習生希望者の面接を行った。日本で安心して生活できるように職員研修会を実施している。

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