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生き活きケア
生き活きケア(117) 認知症デイ「いろどり2017年2月 2日11時09分

パワフルな一日 実地調査官が評価したケア

0115iki2.jpg 認知症対応型通所介護「いろどり」(札幌市、岡田京子社長)は2014年7月に、札幌市内のマンション2階で開設し、2年余りが経った。登録者は58歳から97歳まで21人で、若年性の人が5人いる。1日の定員は12人、毎日11~12人の利用がある。月~土の週6日のうち毎日利用の人が4人、4~5日が6人、2日が2人など。その人に合ったケア計画で、「家にいて尖った人を丸くする」のだという。 先日、市の実地調査があった。調査官は、適正にサービスが行われていると告げた上で、事業所には若い利用者が多く、外来者をもてなす雰囲気があって、利用者の目がキラキラしていると評価したのだ、と岡田さん。「ほめてもらえて私たちもうれしかった。指導の基本はほめることだと思った」と話した。

 02年に市内の精神科クリニックのデイケアで、ピック病の55歳の男性の担当になった看護師の岡田さん。04年に開設した通所介護「大通公園どんぐりの家」管理者になってからも若年性認知症の利用者のケアに当たり、法人の意向で事業所が閉まるまでの9年間で20人の若年性の人たちと出会った。06年には「若年認知症の人と家族の会(ひまわりの会)」の立ち上げに参加した。

 取材をしていると、隣室のリビングから、にぎやかなソーラン節の歌声が聞こえてきた。「ニシンが来たぞ」「海鳥が鳴いた」とスタッフが利用者といっしょに大きな声で歌っている。歌は、瀬戸の花嫁、バラが咲いたと続いた。

 これほどにぎやかな認知症ケアはめずらしい。いろどりのケアを、市の調査官が本物の認知症ケアと評価したのも、このあたりかと感じた。

 お客さんが来て楽しくなったのだろうか、66歳になる利用者の男性が両手を伸ばして小鳥のように手をひらひらさせて、私たちのいる隣の部屋にやってきた。きっと、おもてなしの気持ちからなのだろう。

専門職であることのちから

0115iki.jpg 「送迎のときにも本人が喜ぶ言葉をかける。きょうも会えてよかったと笑顔で表す。認知症は不安の病気。自分を尊重してくれることがケアになる」

 「スタッフが感情を豊かにすることで利用者の心も豊かになる」

 岡田さんは、利用者のケアのことを話しながら、スタッフやその家族が幸せであることが、よい認知症ケアにとって大切なことになると話す。

 スタッフは、管理者の岡田さんのほか、常勤の介護福祉士7人。「資格をもつことは自分が勉強をしてきたという心構え」。ボランティアの人は保育士で、ヘルパーの資格ももつ。さすが紙芝居が上手だという。専門職とは発する言葉は適切で、語尾がしっかりしている人のこと。ケアは、人が人に接すること、いろんな人がいていい。それぞれが自分の人生を活かしてケアに臨んでいると岡田さんは専門職の関わり方を話す。

 いろどりの良いところを挙げてもらった。

 「まず色へのこだわり。明るい色は安心や喜びを感じる。つぎにリハビリ。心が動けば体も動く。一日の生活時間すべてが活動と捉えて、その人らしい役割と工夫を行う。そして食事。新鮮な野菜をふんだんに使い、カラフルでおいしい昼食をスタッフといっしょに食べる。家族へのアドバイスや食事の相談も行う」

若年性認知症ケア どこをみるか

 岡田さんが捉える若年性認知症の本人の思い。①仕事への未練がある②病名は言われたくない③自分で楽しめないから楽しませてほしい④自分を見ていてほしい、尊重してほしい⑤家族のことも気にしてほしい⑥もっと役に立ちたい、ありがとうと言われたい。「受け入れ先がなく、ようやくたどり着いたケースが多い。家族は毎日足を運び、相談も多い。介護者からSOSがきて、急に訪問・来所することがある。症状の変化で、何度も計画や来所日が変更される。うまくいくために、スタッフ全員心をひとつにして、家族と協力しあう」のだと言う。

 BPSD(本人の行動・心理症状)が出た時には、「本人の体調の変化や、家族や環境の変化など、スタッフ間で情報収集して要因を検討。考えられる原因にそったケアを実践し、決してケアをあきらめない。必要な時、必要なだけ、必要な担当者が集まり知恵を出し合う」。

 さらに、看護師として、①排泄のコントロール、便秘にしない②痔の有無を確認③発熱は尿路感染も疑う④食べられない、口を開かない時は口腔内トラブルが多い⑤食事減少は水分量減少につながる⑥けいれんのチェック――など、認知症ケアを全体のケアの中で行っている。

 「本人や家族にとって希望の光であり続けるために、日々実践を振り返り、いっしょに学んでいきたい」と、岡田さんは認知症ケアへの思いを伝えた。

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