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生き活きケア
生き活きケア(115) 居宅介護支援事業所「弥生の園」2016年11月14日13時24分

地域の喫茶店で認知症カフェ ケアマネ主体で居場所づくり

 社会福祉法人奉優会(東京都世田谷区、香取眞惠子理事長)が運営する居宅介護支援事業所「弥生の園」が主体となり、地域の喫茶店と連携した認知症カフェを開催している。同事業所のケアマネジャー、同法人のデイサービスの職員を配置。この他、地域包括支援センターの職員や民生委員など多職種が参加する。利用者やその家族の介護の悩み相談や、交流の場、地域の課題抽出に役立っている。

きっかけは利用者からの声

1113iki4.JPG 認知症カフェは、地域ケア会議の中で利用者から「悩みを打ち明けたいが、傾聴してくれる人がいない」「楽しく過ごせる時間と居場所が地域にない」などの意見が出たが、解決する手段が当時は無かったことから開始したと、同事業所ケアマネジャーの佐々木克祥さんは話す。「地域の認知症カフェを探したところ、事業所周辺にはほとんど無かった。ケアマネジャーとして、地域へ積極的にアクションを起こしていきたいと考え、実行に移した」と説明する。

 カフェは、以前から多くの地元高齢者の憩いの場として利用されていた「喫茶店cocoro」で開催し、飲食代は全て自費としている。参加者からは、「自費だと気を使わなくていいので、気軽にカフェを楽しめる」との声が多い。利用者や家族だけではなく、地元の商店街の従業員や、他事業所のケアマネが参加することもあり、交流が広がっている。

1113iki.jpg 佐々木さんは「明るく、おしゃれな環境が人を集め、話しやすい雰囲気を作っている。参加者の悩みにアドバイスするだけではなく、要望を直接聞いて、新たな支援が必要になれば、対応していくことが重要だ」と強調する。自宅で介護を続けたいが、負担が大きいとの相談にはショートステイの利用を勧めたり、初めての参加者で必要があれば、参加している地域包括支援センターの職員が要介護認定の説明などを行なっている。

 参加している家族からは「認知症の家族との接し方が分からない」「介護保険について聞きたいが、ケアマネジャーが忙しそうで相談できない」など様々な悩み相談を受けるという。配置職員がデイサービスで勤務しているため、現場で実践している接し方をアドバイスしている。「参加者の話に合わせて傾聴、アドバイス、地域の情報提供など、何を求めているのか判断している。時間をかけてゆっくり話しができるのもカフェの魅力だ」と佐々木さん。

「やっと介護の悩みを共有できた」

1113iki2.jpg 10月31日に行った5回目のカフェでは、認知症の利用者2人、自宅介護をしている家族2人が参加した。「夜間、寝てくれないから睡眠不足なの」と話すのは、自宅で認知症の夫(91歳)を介護するSさん。夫は普段からおとなしいため、知人に相談しても認知症介護の辛さを理解してもらえなかったという。同じく、自宅で認知症の夫(75歳)を介護しているYさんは、「夜間、誤って外に出てしまい迷子になることもあります。毎回一人で探すのには限界があるわ」と介護の大変さを語った。

1113iki3.JPG Sさんは「介護のことは同じ状況でないとなかなか通じえない。今回はじめて参加したけれど、みんな悩みながら介護していることがわかってよかった」と微笑んだ。

 佐々木さんは「少しずつ、参加者同士の交流や、地域との連携が増えてきている。今後は認知症サポーターや、地域住民とも協力して、認知症カフェを広げていきたい」と地域全体での交流実現に向けた思いを語った。

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