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介護保険と在宅介護のゆくえ
介護保険と在宅介護のゆくえ572016年12月28日14時30分

医療保険・介護保険・利用者の負担増に目を向けよう

1.要介護2までのサービス自費化に「悪化する」「介護者負担増」の声が届いた

 介護保険の次期改正について、「要支援から要介護2までの福祉用具、住宅改修、生活援助を自費にする」という提案は、「自費では払えないのでサービスを諦める」「家族に頼む」などの利用者調査のデータと、事業者・利用者の署名などの声により、「条件付きで見送り」の方向が出された。

 介護ベッドや車いす、歩行器などの貸与品目は「レンタル価格に上限を設定」することが提案された。手すりや段差解消、トイレの改修などの住宅改修は、「自分で移動や生活行為を行うための改修」であり、当然にも要支援から要介護2までが改修の78%を占めている。住宅改修は「複数の見積もりを取る」などの条件で継続の方向である。

 要介護1、2の訪問介護の生活援助は「人員基準の緩和」が提案されており、18年4月からの大幅な報酬減が懸念される。要介護1、2になる理由は「認知症」が一番多く、次いで「老衰」であり、生活援助は健康な人へのサービスとは異なる。歩行できるが「自宅へ戻れなくなる認知症」への支援や、「食べられないものを食べる、薬を多量に飲む」などへの食事や服薬の支援であり、転倒骨折・誤嚥性肺炎・脱水予防・病状悪化の予防に欠かせない支援である。

 今後出される「介護保険法改正案」の詳細を吟味しなければならないが、今年3月18日の埼玉県新座市議会、北本市議会の地方自治法に基づく「国への意見書」採択に端を発した、全国209市町村議会や29の都道府県議会採択が、住民の声を国に届ける役割を果たしたことは大いに評価できる。

2.年収383万円は高額所得者か?

 国は社会保障の伸びを16~18年の3年間で1兆5,000億円程度に抑える方針を変えていない。17年度は医療保険で1,000億円、介護保険で400億円削減の方向である。

 介護保険では昨年2割負担を導入したばかりなのに、年収383万円以上(単身)は3割負担を打ち出している。各市町村の介護保険料で10段階くらいの上位額や、後期高齢者医療保険料を年金から引かれ、さらに施設やショートステイの家賃や入院時や施設の食費を多く払い、介護保険のサービス利用も一挙に3倍というのは過酷ではないだろうか。特に難病や障害認定を受けている第2号被保険者は、65歳になった途端に負担が跳ね上がる。

 介護保険の利用者は医療も必要であり、利用者の78%が80歳以上で、入院や入所になる危険が高い。年収383万円は高額所得者とは言えない。また、75歳以上の後期高齢者医療保険の「減額特定」を外すと、169万人が段階的に医療保険料が実質アップになる。さらに70歳以上の医療費支払いも増やす方向である。医療保険料がアップされ、保険料に加えて自己負担増はじわじわと要介護者を追い込むことにつながる。

3.セーフティネットに手を付ける前に「税金の無駄」見直しを

 医療や介護は生きるための最低保障である。弱い者から手を付ける前に、税金の無駄使いに手をつけるべきであろう。15年度の会計監査院の報告では、前年の7.8倍の「税金の無駄使い」や不正支出が指摘されている。

 東日本大震災の復興税では、1.7兆円が工事費の水増しや領収書偽造など無駄に使われた。さらに、預金保険機構が管理している「利益剰余金」のうち、1兆900億円は国庫に戻すべきお金であり、それが放置されている。この是正が先である。

 日本の防衛予算は世界で5番目に多い一方で、教育にかかる予算は世界で28位であり、地球温暖化対策の予算は58番目で下から2番目である。年金の見直しでは「物価スライドで下げるのではなく、物価が上がっても平均賃金が下がれば、年金支給額を下げる」法律が国会で論議されている。弱いからこそ、地域から声を上げることが必要である。声は届くことを、先の署名運動で確信した。

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